アクセス解析を開くと、ユーザー数、セッション、表示回数、エンゲージメント、イベントなど、たくさんの数字が並びます。どれも気になって、結局何を直すか決められないことはありませんか。
まずは「訪問の規模」「閲覧の手がかり」「次の行動」の3つに絞ると、確認する目的が明確になります。この記事では、セッション数・平均エンゲージメント時間・対象CTAのクリック割合を、ブログ改善の出発点として使う方法を紹介します。
この3つですべての問題を判断できるわけではありません。普段は同じ指標を確認し、気になる変化があったときに検索語句や流入元などを追加で調べる、という進め方です。
アクセス分析の全体像は、AIブログ副業のアクセス分析と改善|初心者が見るべき指標を3つに絞る方法でも解説しています。
指標は「何を確認するか」で3つに絞る
指標を減らす目的は、良い数字だけを見ることではありません。各数字から、次に確認することを選びやすくするためです。最初に、分析する記事と、その記事で読者に提供したい情報を決めましょう。
| 確認する目的 | 今回使う指標 | 考えること |
|---|---|---|
| 訪問の規模を知る | セッション数 | 比較する訪問がどれくらいあるか |
| 閲覧の手がかりを得る | 平均エンゲージメント時間 | 内容や表示を点検する必要があるか |
| 次の行動を確認する | 対象CTAのクリック割合 | 案内したリンクへの行動が計測されているか |
CTAは、次の行動を案内するリンクやボタンです。商品紹介なら公式の条件確認、解説記事なら次の手順を扱う関連記事など、記事に合う行動を対象にします。すべての記事で購入や申し込みを目標にする必要はありません。
指標1.セッション数:訪問の規模を確認する
セッションは、訪問中の一連の操作をまとめて扱う単位です。一人が別の機会に訪問すれば複数のセッションになる場合があり、一回の訪問で複数のページを見ることもあります。
| 数値の単位 | 何を数えるか | 混同しない点 |
|---|---|---|
| セッション | 訪問中の一連の操作のまとまり | 訪問した人数やページ閲覧数とは別 |
| ユーザー | 計測上の個別のユーザー | 総ユーザー・アクティブ ユーザーなど、使う指標名を確認する |
| 表示回数(ウェブのPV) | ページが閲覧された回数 | 同じページの繰り返し閲覧も含む |
サイト全体と記事への入口を分けて見る
サイト全体の訪問や流入元を確認する場合は、GA4の「トラフィック獲得」を使います。特定の記事から始まった訪問を確認するなら、「ランディング ページ」で対象記事のセッション数を見ます。
ランディング ページは、そのセッションで最初に訪問したページです。そこに表示される対象記事のセッション数は、別の記事から途中で回遊してきた閲覧をすべて数える指標ではありません。
標準的な入口は「レポート」→「エンゲージメント」→「ランディング ページ」です。構成や権限によってメニューにない場合は、表示するレポートの設定を確認してください。操作の詳細はGoogle公式のランディング ページ レポートで確認できます。
少ない場合は、集客の条件と計測を確認する
訪問が少ない記事では、クリック割合や時間の平均も少数の行動に左右されます。本文を大きく直す前に、計測が動いているか、記事が公開されているか、検索やSNSから来る入口があるかを確認します。
減少している場合は、どの流入元が変わったかを調べます。訪問数だけで、記事の文章が原因だと断定しないようにしましょう。
指標2.平均エンゲージメント時間:閲覧の手がかりを得る
GA4の「ページとスクリーン」にある平均エンゲージメント時間は、ブラウザでサイトがフォーカス状態にあった時間などをもとにした平均です。ページを開いてから閉じるまでの時間や、文章を読んだ時間そのものではありません。
ページごとの確認には「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を開き、対象記事のパスで絞り込みます。指標の定義や操作は、Google公式のページとスクリーンのレポートを参照してください。
「セッションあたり」の時間とは区別する
ランディング ページなどのレポートには「セッションあたりの平均エンゲージメント時間」があります。ページとスクリーンの平均エンゲージメント時間とは、分母や集計の範囲が異なります。
入口のページで絞ったセッションの時間は、そのページだけの読書時間とは限りません。記録するときは、画面に表示された指標名を省略せず、同じレポート・同じ定義で前後を比較してください。
短い場合は、答えの位置と表示を点検する
短時間で答えが分かる用語解説と、条件を比較する長い記事では、必要な時間が違います。「何秒以下なら失敗」という共通の基準で判定せず、記事の役割に沿って内容を読み直します。
- タイトルで約束した答えが見つかるか
- 前置きが続き、必要な情報が後ろに埋もれていないか
- 見出しから内容が分かるか
- スマートフォンで表や文章が読みやすいか
- 流入する読者や端末が変わっていないか
時間を伸ばすために結論を後ろへ移したり、説明を無理に増やしたりする必要はありません。必要な情報を見つけやすくした結果、時間が短くなることも考えられます。
指標3.対象CTAのクリック割合:次の行動を見る
CTAへの行動を見るときは、まず「どのリンクを、どの集計方法で測るか」を決めます。「CTAクリック率」という名前だけでは、クリック回数÷PVなのか、クリックしたユーザー÷閲覧ユーザーなのかが分かりません。
この記事ではユーザー単位の割合を例にする
ここでは、対象記事の閲覧ユーザーのうち、その記事内の対象CTAをクリックしたユーザーの割合を例にします。同じ人が何度押しても、分子では一人として扱います。
計算式は「対象記事内で対象CTAをクリックした閲覧ユーザー数÷対象記事の閲覧ユーザー数×100」です。同じ期間・ユーザー定義で集計し、クリックした側も対象記事の閲覧者に限定します。サイト全体のクリック数を、対象記事のユーザー数で割る方法ではありません。
説明用の架空の例として、対象記事の閲覧ユーザー200人のうち6人が対象CTAをクリックした場合、割合は3%です。この3%が高いか低いかは、記事の役割や流入条件などを踏まえて考える必要があります。
率を計算する前に、クリック計測を確認する
GA4の拡張計測機能では、別のウェブサイトへ移動するリンクのクリックを記録できる場合があります。一方、記事内の関連記事など同じドメイン内のリンクも、すべて同じ設定で測れるとは限りません。
機能を有効にしているか、対象リンクを識別できる情報があるか、実際にイベントが送信されるかを確認します。発生条件はGoogle公式の拡張計測機能イベントを参照してください。必要に応じて、対象に合うイベント設定やデータ探索を用意します。
クリックイベントの回数が取れていても、今回のユーザー単位の割合がそのまま完成するわけではありません。記事・対象リンク・ユーザーの範囲をそろえた集計が必要です。難しい場合は、先に対象クリックの件数を確認できる状態にし、割合は「未算出」として残しましょう。
クリック割合は購入率や満足度ではない
商品リンクのクリックは、移動先での購入や申込完了とは別です。ASPの発生成果・承認成果などは別に確認します。また、リンクを押した理由は数字だけでは分からないため、「納得した人の割合」と言い換えないようにしましょう。
行動が少ない場合は、リンク先が正しいか、どこに移動するか分かる文言か、判断に必要な情報をCTAの前に示しているかを点検します。ボタンを増やす前に、説明と案内の対応を確認してください。
3つの数字から次の確認を選ぶ
数字の変化は、原因を特定する答えではなく、調べる順序を決める手がかりです。次の表を使い、まず一つの確認や修正を選んでください。
| 気になる状態 | 先に確認すること | 検討する作業 |
|---|---|---|
| セッション数が少ない・減った | 計測、公開状況、流入元、検索での表示 | 集客側の変化を調べる |
| 閲覧に関する時間が短くなった | 指標の定義、記事の役割、端末、本文の表示 | 答えの位置や見出しを点検する |
| 対象CTAの行動が少ない | 計測、移動先、文言、直前の説明 | 判断材料や案内を一つ見直す |
| CTAは押されるが成果が少ない | 商品条件、申込先、ASPの反映・承認条件 | クリックと成果の段階を分けて調べる |
| どの数字も件数が少ない | 比較に使えるデータ量と条件 | 判断を保留し、表示や内容の不備を確認する |
閲覧や導入を見直す場合は、アクセスはあるのに読まれない時の改善ポイントで、具体的な点検手順を確認できます。
定義と条件を固定し、同じ形式で記録する
週に一度など、自分が続けやすい頻度で確認します。比較する期間の長さ、流入元、端末、計測設定をそろえ、変更日やキャンペーンなども残しましょう。
| 記録欄 | 残す内容 |
|---|---|
| 対象と条件 | 記事URL・期間・流入元・端末・フィルタ |
| 指標1 | 入口記事のセッション数など、対象範囲と件数 |
| 指標2 | 画面に表示された時間の正式名称・レポート名・値 |
| 指標3 | 対象CTA・分子と分母の定義・人数・割合 |
| 不足データ | 未計測・未確認・未算出を区別して記載 |
| 変更履歴 | 修正日・修正箇所・商品条件などの変化 |
| 次の対応 | 追加確認・一つの修正・判断保留など |
今回の3指標は、集計の範囲がすべて同じとは限りません。入口のセッション、ページ単位の時間、対象記事のユーザー単位のクリック割合を、一つの同じ集団の段階別の減少と見なさないでください。それぞれの定義を固定し、同じ指標の前後を比較します。
割合だけでなく、元の件数も残します。たとえば2人中1人の50%と、200人中100人の50%は、数字の安定性を考える際の材料が違います。前後の差だけで、修正の効果を断定しないようにしましょう。
レポートの具体的な入口を確認したい場合は、GA4とSearch Consoleで最低限見る場所まとめを参考にしてください。
まとめ:3指標を出発点に、一つの作業を選ぶ
見るべき指標に迷ったら、訪問の規模、閲覧の手がかり、次の行動という3つの目的に整理します。セッション数、平均エンゲージメント時間、対象CTAのクリック割合を使う場合は、対象範囲と定義を明記して確認しましょう。
まず一つの記事で、確認できる数値と未計測の項目を整理してください。そのうえで気になる点を一つ選び、追加確認や修正につなげます。必要なときに見る数字を増やすことで、分析の負担を抑えながら改善を続けやすくなります。







コメント
コメント一覧 (3件)
[…] なお、「どの指標を見て改善すべきか迷う」という場合は、見るべき指標を3つに絞って迷わない分析方法もあわせて参考にしてください。指標を絞ることで、パーツを追加した効果もより判断しやすくなります。 […]
[…] なお、記録した数字を分析する際は、見るべき指標を3つに絞って迷わない分析方法を参考にすると、迷わず判断できます。 […]
[…] 指標ごとの定義と集計例は、見るべき指標を3つに絞って迷わない分析方法で詳しく整理しています。 […]